(まじめ編)klis生の8割はやらずに損してる?
どーも、コレはまじめ編の記事です、管理人です。
タイトルは誇張表現の話。
半分くらい盛ってます。
事実、この記事で過去を思い出して渋い気持ちになった人はごめんなさい。
この記事は
klis Advent Calendar 2016 - Adventar 21日目の記事です。
事前に言っておくと、だいぶ長大です。
が、klis以外の方々にこそ、この内容を見てほしいものです。よろしくお願いします。
あまりにも長くなってしまったので、抄録を付記します。
抄録
知識情報・図書館学類には「基礎数学B」という専門基礎科目が開講されている。2年次以上で情報数学の単位があれば誰でも履修可能である。様々な噂がつきまとい、なかなか履修人数が増えないこの科目だが、実際に受講してみると様々な学び、知識、あきらめない心などを得ることができる。現状知識の学生の2割しか受講しておらず、更に単位を取るものは1割程度しかいない科目だが、数学の知識が不足していても少し考えて時間をかけてじっくり解けばどうにかなるレポートが多く、最終的には自分で行列の計算を少しは扱えるようになるはずである。重要なことは知人との協力や計画性だ。この科目を取ることで履修可能になる「データ構造とアルゴリズム」も面白い授業なので、ぜひこの2科目を履修して力のあるklis生になってもらいたい。
お前誰
@pmannet_r
klis14です。
この現代に「大学行くならついでに取っとく式で教職を取れるのか」が実践可能か検証中です。
何の話
知識情報・図書館学類には春AB木3,4限に基礎数学B
という専門基礎-選択科目が開講されています。
その話です。
どういう科目(前置き)
履修の要件は「知識情報・図書館学類生は『情報数学』の単位を取得済みであること」です。
情報数学は、1年次春に専門基礎必修科目として履修するので、2年次以上限定となります。
知識生以外の人は、2年生以上なら特に条件なく履修できます。
専門基礎選択科目というと、大体42単位分の開講科目から32単位を取得しないと卒業できないカテゴリです。はみ出した分は自由単位に充当されます*1。
そして、これらの科目は基本的に他専門基礎・必修科目と被らないように組まれています。
基礎数学Bも例外ではなく、学類開設の裏番組は専門科目しかありません。
そして木曜日は2限に必修の体育があり、5,6限は100人位が履修するデータベース概説があります。
しかし、その2つに挟まれた基礎数学Bの履修者は毎年30人程度*2です。なぜでしょう。
どういう科目(本題)
http://klis.tsukuba.ac.jp/assets/files/syllabus.pdf の59ページから引用させていただきます。
という内容です。あれ?そんなに難しい感じがしません。
詳細な内容は後述しますが、実際そこまでめちゃめちゃ高難易度の数学的な内容を学ぶわけではありません。
なので、数学初心者でも履修できる科目になっています。コレはマジ。
教科書は3冊指定されています。
1.村田健郎 『線形代数と線形計算法序説』 サイエンス社(1986)
2.岡本和夫 『行列と1次変換』 実教出版(1998)
3.佐藤文広 『数学ビギナーズマニュアル』 日本評論社(1994)
ただし、1.は絶版になっており、授業中にコピーが配られます。オークション等で入手することは可能です。2.と3.は履修前に入手しておけと掲示がされます。無くてもよくね?と思う方、2.はレポート課題を解くのに必須です。3.は最悪なくてもできますが、あったほうが良いことは間違いないです。
「授業外の学習」欄を見てみましょう。
授業内容に関連する課題をほぼ毎週示す。期末試験を受けるためには、それまでのすべてのレポートが提出済みで、かつ合格点を得ている必要がある。各レポート課題は、単なる計算練習ではなく、大学2年次相当の論述を要求する。
線を引いた所、テストに出ます。
つまり、期末試験を受けるために、それまでに出題されるレポート(全7回あります!)を全て合格点以上で切り抜けなければなりません。
1回でも不合格になると、それ以降の授業への出席ができなくなります。
=成績評価で確実にDがつく*3 ということです。
レポートの仕組み
授業は全10回行われ、1,2,3,4,5,7,8回にレポート課題が提示されます。
締切は基本的に次の授業の開始時(次週が休みや曜日移動でズレる場合は、その限りではない)に設定されます。間に合わなかった場合は当然、次回以降の出席は不可能になります。
毎週のレポート課題は数枚で終わる‥と思ったら大間違いです。
大体1回のレポートで使用するA4用紙(片面)は平均15枚ほどです。
なお、レポートの手書き or PCは指定されていません。数式及び行列をコンピューターで書きまくる自信がある人はTeXで書いてもOKです。それでやってた人もいるらしい。
レポートには4段階(+1)の評価が付けられます。最終的な成績は、この評価によってボーナスがつくそうです。
レポートの評価基準は先生も言っていたような気がしますが、忘れたので個人的な体験を基に書くと「手順に間違いがないかどうか」「論理建てて記述してあるか」がポイントだと感じます。
A:間違いのないレポート
B:少し間違いがあるが、概ね問題のないレポート
C:間違いが多いけど、まあギリギリOKにしてあげるよってレポート
D:致命的な間違いがある、要件を満たしていないレポート
(F:剽窃、白紙などのレポート。この場合、一発で出禁になる)
ちょっとした計算ミスなどはあまり減点になりません。誤字・脱字もメッチャ多くなければ見逃してくれます。
ただ、手順が1個省略されてたりする記述には厳しいです。
とにかくミスには気をつけ、先述の「数学ビギナーズマニュアル」を参考にしながら正しい記号と正しい論理で書き進めましょう。
Dを取ると再提出になります。だいたい4日後くらいを締め切りに設定され、ミスが有った問題についてすべて書き直し、どうして間違いが発生したかの考察を添付して提出しなければなりません。
その再提出でもう一度要件不足でDを取ってしまうと不合格になります。
なお、ここである程度お察しがつくと思いますが、再提出のレポートは思いっきり次回のレポートと日程がかぶります。
つまりは再提出になると前のレポートの再提出と今回のレポートでダブルパンチになるわけです。
一回リズムが崩れると立て直しは結構難しく、大体毎回のレポートで1~2人は脱落していきます。
一昨年は25人ほどでスタート*4し、最終回に出席できたのは10人だそうです。
期末試験はそれまでのレポートとほぼ同様の方式になります。違いは、
問題量が多いこと
4段階評価ではなく120点満点の点数式であること
締切が3週間ほどあとにあること
です。
それまでのレポートの点数と関係なしに6割(≒70点)の点数を取っていないと単位は出ない、とされています。(実際は若干慈悲があるようです)
また、ボーナス問題が2~3題ほど設定されていて、コレにより得点を120点以上に伸ばすことも可能です。
最終評価は期末試験の点数+各回レポートのボーナス(B以上だとつくらしい)で決まります。
ちなみに各回レポートにはC-という評価が存在し(再提出時などにつくことがあります)、その場合は期末試験での必要点数が上がるらしいです。
授業内容
ここからは各回の授業・レポートでどういうことをやったのかを書いていきます。
さっくりとしたことしか書かないので、あとは自分で履修して確かめてください。
全体的な注意点として、
・板書が速い
・電子機器の使用は一切禁止
の2点があります。つまりは猛スピードで進んでいく板書を手書きで追いつかないといけないってことっです。
教室はスライド黒板2枚なので、消えるまでにはそこそこ時間がありますが、ゆっくりと話をしてくれる場面はほぼないので、途中でわからなくなったら授業後に復習orオフィスアワー。
- 第1回
イントロダクション(この授業はそんな甘くねえぞ、教科書を買え、レポートはこう書け、最近の学生は生ぬるい、いくら文句言っても評価基準を変える気はねえぞ、など)があります。
その後、軸選択付きガウス消去法の解法をやって終わりです。
レポート課題はガウス消去法を用いた行列の計算6題。ただし、計算の省略は一切禁止。
大体13~5枚くらいかかります。
--------------------------------------
一例:以下の連立方程式に対し、軸選択付きガウス消去法のアルゴリズムを適用して解け。
x + 2y + 3z + 4w = 0
2x + 4y + 6z + 8w = 0
3x + 6y + 9z + 12w = 0
3x + 5y + 7z + 9w = 0
(自分の回答)
まず、連立方程式を行列で表す。
| 1 2 3 4 |
| 2 4 6 8 |
| 3 6 9 12|
| 4 5 7 9 |
1段目において、軸要素(1,1)が0でないので行交換は不要。
2行目以降の1段目の要素を消去するため、
(2行目)-(1行目)*2、(3行目)-(1行目)*3、(4行目)-(1行目)*3を行う。
操作後の行列は以下となる。
| 1 2 3 4 |
| 0 0 0 |
| 0 0 0 |
| -1 -2 -3 |
2段目において、軸要素(2,2)が0のため、3行目以降で非ゼロ要素を持つ一番近い行と交換する。
この場合、4行目と2行目を交換する。
交換後、3行目の以降の要素は全て0なので消去の必要はない。
| 1 2 3 4 |
| -1 -2 -3 |
| 0 0 |
| 0 0 |
3段目において、軸要素(3,3)は0だが、4行目以降で非ゼロ要素を持つ行は存在しないので、交換は行わない。
前進消去後の行列を連立方程式で表すと
x + 2y + 3z + 4w = 0
-y -2s -3w = 0
0z + 0w = 0
0w = 0
となる。
4行目より、wは任意の実数となる。
wを任意の実数tとおくと、3行目は0z = 0となり、zも任意の実数となる。
zを任意の実数sとおくと、2行目は-y -2s -3t = 0とかけ、y = -2s -3tとなる。
結果を1行目の式に代入し、x = s + 2t
以上より、(x, y, z, w) = (s+2t, -2s-3t, s, t)となった。
検算を行うと、
(ここは省略)
以上より、解が正しいことを確かめた。
--------------------------------------
コレが6題あります。
ちなみにパソコンで何かしらを用いて書く場合、ベクトルの表現など(太字にするとか)に気をつけないと即再提出です。
余談ですが、毎年問題の数字は微妙に違い、昨年の先輩のレポートを丸パクして即バレしてFが付いたケースが有りました。
- 第2回
Frank行列と、行列・ベクトルの演算。この辺はまあ、高校でもやるような所。
レポート課題にプログラムを書く問題が(唯一)登場します。シラバスにも何かしらの言語でプログラムが書けることが条件~ってなっていますが、使うのはここくらいで、しかもそんなに難しくありません。
多分1桁枚数で書き終わるレポートは、コレが最初で最後です。
- 第3回
ベクトル空間の話、写像の話とか。記号だらけで何がなんだか、ってときは数学ビギナーズマニュアルを読むと少しわかるかも。ちなみに教科書2冊が役に立つケースは多くないので、しっかり板書してください。
レポート課題は第2回でやった内容を中心に。論理的なことを書く問題が多く、最初のつまづきポイントはこの辺です。与えられたことしかやっちゃいけない、道を外れずに説明するということができないと即再提出です。
自分は12枚でした。
ちなみにこのあたりでGWが挟まることが多いです。ので、第2回か第3回の課題は期日にゆとりがあります。
- 第4回
正方行列、逆行列の話。逆行列を求めるにも、面倒な軸選択付きガウスを1手1手やっていかなければなりません。
レポートもそれと第3回の復習です。逆行列の問題は第1回を彷彿とさせる面倒さ。後半の問題は全射・単射をしっかり把握してないと思いっきり間違えます。後半の書く量は多くないので再提出のダメージもそこまでですが。
大体15枚くらいかかる課題でしょうか。数字と行列を書く手との戦いです。
- 第5回
1次独立・従属、階段化、階数の話。この辺からちょっとややこしいかも。
書き忘れてましたが、検算が必要な物は全部検算が必要です。面倒でも全部検算しましょう。
この回のレポートは非常に量も難易度も上質で、締切が1週間でないことからもそれが伺えます。自分は24枚書きました。マジか。
「利害得失を議論せよ」「具体的に説明せよ」。議論して説明しないと先はありません。
- 第6回
対角化、固有値・固有ベクトルの話。まだまだ行列をいじくります。この辺になると、ああ前回までの積み重ねが大事だなあという気分になってきます。
あと突然論理演算についての話をし始めます。真相は次回わかります。
レポート課題が出ません(前回出たレポートの締切がまだなので)。つかの間の休息‥というわけでもありませんが。
- 第7回
対角化の続き、対角化可能性と特性方程式とか。
この回のレポート課題で論理演算が出てきます。「記号で書かれた数式表現を日本語または英語で書き下せ」というものです。英語で書く人いなくね?
14枚くらいでしたが、かかった時間は長い印象。
- 第8回
行列式、小行列的展開などです。最後まで行列をいじるのだなあ。
前回のレポートの論理演算で、日本語での書き下しを間違えてしまうと、「君は日本語が不自由」という裁定をくだされて英語で書き下せと言い渡されます。何と問題文は伏線だった。恐るべし。
この回のレポートで通常回レポートは最後です。最後なので、再提出が不可能です。一発勝負です。
まあ、ただひたすらに長い計算ってだけなので、気をつけてやれば大丈夫なはずです。枚数も12枚ほどでした。
- 第9回
対角化云々の話の続きと今までのまとめ的なやつです。
ついに最終課題が配られます。気持ちはもう最高潮ってやつですね。
最終課題の内容は今までのものを総ざらいです。論理演算、写像、証明、行列のなんちゃら‥。
ちなみに今までとは違って、ちょっとミスするとバリバリ減点されていきます。というか途中点がほぼないです。1箇所違うとその問題は0点です。細かくポイントが用意されているのが救いですが。
- 第10回
1コマしかありません。第7回レポートの返却と小話とボーナス問題2の提示があって終わりです。
ボーナス課題2はRSA暗号を解読するプログラムを書けというものです(必要な数字とかは提示されます)。20点ありますが、おそらくほぼ0か20かなので、ここでの加点はよほどパワーが有る人以外は期待しない方がいいでしょう。
受講記
じゃあ実際授業受けた感じどうなの?っていうのを(やっと)書き始めようと思います。
- 第1回
ちょっとでも先輩と親交があるようなklis生は絶対にこの授業の評判を聞いています。自分も聞いていたので、果たしてどれだけヤバいのかとワクワクしながら行きました。
噂通りヤバそう。板書速。文字ちっさ。
大学の授業に楽というイメージが少しでもある人は即退散してしまうような雰囲気。
まず、履修上の注意がA4半ページに渡ってぎっしりと記載されている。
この文章まるまるここに記載したいところだが、やはりここは自ら受講し、手にとって確かめてもらいたい。
ただ、やりきった自分から後出しで言わせてもらうと、半分オタク特有の誇張表現と脅しです。
半分はマジだと思います。
- 第2回
プログラミングの課題が出る。当時の自分、アイカツのライブ会場で開演前の待ち時間にコードを書くという授業を舐めた手本みたいな行動をしてました。
第1回目のレポート結果はC。毎回第1回のレポートは大量にDが出ます。初学者はまだこの先生の求めるレポートの書き方を知らないからです。
- 第3回~5回
道中友人と答え突きつけ合ったりとかしつつ、なんとかやっていきました。
第3回レポートは再提出。証明を書いて「本質は何?」と書かれて再提出を喰らって、どうすればいいかわかんない状態でした。なんとか再提出でセーフ。
- 第6回
第5回レポートが再提出に。そういえばこのあたり、新しいバイトが始まってちょっと忙しくて人と解くみたいなのができなかったなぁ‥と思ったらすぐにコレ。
そして、再提出もDのまま。自分は不合格になったのでした。
おしまい。
時は流れ、今年の4月。(実はさっきの話は昨年のものでした)
どう考えても裏番組の専門科目を取ったほうが卒業に近づくしそもそも基礎数学Bを今取っても卒業要件には一切加わらないという状況の中、再履修を選択します。
理由は一つで、あの先生に負けっぱなしがムカついたからです。
- 再戦
だがしかし初回授業前日にインフルエンザ発症。初回の授業は欠席しました。
そういえば言い忘れてましたが、この授業、初回にテストがあります。確か大問2個で構成されていて、1個がそこそこ簡単な計算、1個がなんかコレ大学受験の二次対策でやったことあるぞみたいな証明問題だった記憶があります。(多分)1点以上取れていないと受講が認められません。
メールが来て、「君には受講資格がない」って言われるそうです。ヒ~怖。
まあ簡単な方は1点くらい取れるようにはなってるので、大丈夫です。
しかし、再履修者は大問の1個、簡単な方を解くことが禁止されていて、後半の証明をしっかり書けないと履修できないようになっています。
自分は絶対にかけなかったと思うので、ある意味ラッキーでした。(初回インフルで休んだことは、先生が初回授業時に季節外れのインフルで休んだ阿呆と言っていたそうです。その後の受講はできました)
第2回以降は普通にレポートを書いて出席、の繰り返し。第5回レポートまでは昨年の自分のものがあるので、そこの間違いを正せばだいたいAが来る余裕の戦いでした。ノートも取ってあったので、正直退屈でした。
- 第4回レポート返却にて
とつぜん先生が黒板に「知識 終わり?」と書きました。どうやらレポートの結果がすこぶる悪かったようで、13人中8人が再提出でした。それで、Cは不完全だけどギリOKみたいな評価なのですが、知識2年で履修した人は全員C以下だった、先行きが心配だと近年の学力低下を嘆いていました。
- 第6回以降
未知の世界。とは言っても、自分の手元には昨年A+を取って完全勝利して生還した戦友*5の昨年のレポートが有りました。そもそも使うまでもない‥と言うとイキった感じですが、実際2年もやってりゃこの授業のレポートを書くコツくらいは掴んできます。レポートはミスがないか、確認に使いました。結構ミスって直しました。大感謝。でもケアレスミスでAは取れませんでした。悔しい。
- 第8回
第6回レポートの時点でも13人生き残っていました。つまり第4回以降での脱落がいなかったということです。例年よりDの数は多いようだったんですが、みな再提出で乗り越えてくるとのことで「みんな だれも あきらめない」と先生は黒板に書いていました。
ちなみにこのあたりからは後輩とレポートをやってました。1人でも取れる人が増えてほしかったので、サポート‥できてたかはわかりませんが。
- 最終回
最終課題進出者は12人。その前の年(自分が落ちた年)が10人だったので、結局多くなったようです。
授業評価アンケートには思いの丈をマークシートに込めて書きました。
最終課題はあらゆる資源を利用して解いた結果、131/120点でした。しょうもないミスで9点減点されたのが悔しいところです。再履修なのに。
まあ、何はともあれA+を手にすることができました。
単位を取るために
この授業ははっきり言って単位を取るのは他のklis科目に比べたら難しいです。
自分も3年次になって一番大変だった科目は基礎数学Bって断言できます。
事実初回で半減する分を除いても最終回まで生き残って単位を取る人は毎年4割程度です。つまり残りは2回~7回レポートあたりで脱落するということですね。
しかし、2年かけて取った自分から言わせるとしっかりやることやれば取れます。
自分が初年度落としたのは一回生活リズムを崩してレポートする時間が取れなかったからで、リズムを崩さずにできた2年目は実際取れました。
理不尽な要件を課されたり、理不尽な不合格をもらうことはありません。
幾つかのアドバイス的なことを書いていこうと思います。
- 協力する
この授業を1人でやりきるのはだいぶ無茶です。自分のレポートがどこまで正しいか、複数人で確かめることは非常に大事です。複数人で確かめても間違えるので。
そして複数人でレポートを見せ合うには直前で終わらせるのではダメです。必ず前日までには友人同士で確認を取って修正をしましょう。
この授業を取る友人がいない→誘いましょう。
そもそも友人がいない→この授業を取る人はみんな仲間です。気軽に誘いましょう。
- オフィスアワーに行く
この授業のオフィスアワーは火曜5,6限です。一般のklis2年生は6限が空くはずです。
授業だけ聞いていると先生が厳しくて超堅物みたいなイメージを持ちがちですが、オフィスアワーに行くとそうでもないことがわかります。
基礎的なことから、レポートの内容までわからないことはだいたい教えてくれます。(流石にレポートの回答に直接関わることは教えてくれないので、遠回しに聞きましょう)
コレ引っ掛けだろみたいな問題もあったりするので、それに引っかかって再提出しないためにも聞いておくことをおすすめします。
少しでもわからないことがあったら積極的にオフィスアワーに行きましょう。
- 月曜日までにレポートを終わらせる
周りの人たち含め、月曜日までにレポートをある程度書き上げておくと良いです。
まず、月曜日までに終わらせて、火曜日にわからないところをオフィスアワーで聞きます。
水曜日に友人たちでオフィスアワーでの知見を共有して、間違いの見直しをします。
水曜日の夜には最終的に完成したレポートをもう一度確認します。
コレが理想のレポート提出スケジュールです。
逆に言うとコレが崩れるとマズいです。再提出は翌週月曜が締め切りになっていることが多く、先程のスケジュール及びオフィスアワーが通用しません。
何があろうともしっかりとしたスケジュール管理を行いましょう。
- 見直しをする
すごい当たり前なことですが、見直しが超大事です。
1ミスが一瞬でDにつながることもあります。
とにかく何度か見直しをして、変なミスがないようにしましょう。
複数人でレポートを見せ合うのも当然有効です。
意外とわからないものが問題をミスして写してるケースです。
- 真面目に授業を受ける
真面目に授業を受けて板書しましょう。先生の板書には、レポートで書くべき解法を書いていることが多いです。しかもその書き方は教科書には載ってない場合が多い。教科書だけ読んでもレポートは全く書けません。
ちょっとわからないなって思ったら授業終了直後に聞いてみるといいでしょう。
ちなみにこの授業、出席は取っていません。何故かというと、全出席が前提となっている授業だからです。
基本的に授業の最初にレポートを出し、次回のレポート課題を受け取り、配布プリントを受け取るといった流れがあります。
つまり欠席すると授業資料も次回の課題も授業内容も一切わかりません。まあ他人から受け取ることも可能ですが。
当然授業に欠席してレポート出せなかったら即不合格です(急病・急用の場合は証明書を持っていけば融通が効きます)。
レポート前日に出したし授業でなくていいやwは不可能だと思っていいので、真面目にすべての授業に出席しましょう。
余談ですが、授業に関するアンケートをすべての学類開設授業で取っており、その中に「この授業の欠席回数」があるのですが、すべての人が無欠席だったそうです。
また、「私はこの授業の予習・復習・課題のために授業外で相当時間の学習を行った」という設問には、全ての受講者が「(1)大いにそう思う」を答えたそうです。良い授業ですね。
- 先輩の話を聞く・レポートを借りる
この授業を取っている先輩の大半は偉大な人です。自分は最強友人のレポートと自分の昨年の経験で取っただけで、知識も何もありません。
先輩の中で基礎数学Bを取った人がいたのなら、積極的に話を聞いてレポートを見せてもらったり見せたりしましょう。
この授業に対するレポートの書き方を最初から知っているか知ってないかで難易度は大きく変動します。
自分も基礎数学Bの相談には乗れますので、よろしければココ(親指と人差指でLの字を作り下に向けて左右に動かす動作)までどうぞ。
ちなみにレポートを丸パクしても全くいいことはないぞ!というか微妙に毎年問題を変えてるようなので、本当に書き方の参考程度にしないとダメだぞ!
この授業をおすすめする点
さて、散々書きましたが、自分はこの授業が良い授業だと思っています。
それにはいくつかの理由があるので、書いていきます。
- レポートを書く力が身につく
やはり最終課題含めて8回もレポートを書いて添削されると、レポートをミス無く書くようになっていきます。注意力が上がるといいますか。
klisは期末レポート系授業もそこそこあるので、そこで遺憾なく力を発揮することができる‥かもしれません。
- 計画性を持って課題をやることの大切さを学べる
レポートなんて前日にシャーってやればいいや、って精神では絶対に通らないのがこの科目です。そして、計画性を持ってしっかり課題をやったレポートはちゃんと評価に返ってきます(多分)。
それが有意義だと感じるように慣れば立派な大学生‥かもしれません。
あとこの授業のために睡眠時間を削ったり生活習慣を乱すことはおすすめしません。回り回って最初にシワ寄せが来るのは多分こいつです。
- なんだかんだ計算ができるようになっている
行列の計算を嫌というほどレポートでやるので、最終課題をやる頃には、最初はノートとにらめっこして解いてたものも「俺書けてる!俺書けてるよ!」って気持ちになってきます。当然見直しは必要です。
もしかしたらこれを機に数がくが好きになるかも‥いや流石にそれはどうか。
大学の単位は90時間の学習で2単位として扱われています。授業は150分*10回なので25時間。残りの65時間は予習と復習です。
65時間の予習と復習は、レポート7回と期末課題を解けば自然と達成されています。おそらく。
つまり、この授業は大学における授業の到達目標をしっかり達成している今では稀有(かも知れない)授業なのです。
自分が適当な生き方をしてただけかもしれませんが、正直65時間勉強した授業は他にないと思います。
こんなに学べる科目はklisでは少なくともあんまない‥はずです。
あるとするなら、データ構造とアルゴリズム(同じ先生です)でしょうか。
- 意外と良心的
この授業、猛スピードで板書と解説が進んでいきますが、速すぎるのか、大体の回で2コマ目の終了時間より早く終わります。
次の時間への準備はゆっくりすることができます。ホッと一息つけますね。
レポート提出期限も、曜日移動や休みが挟まったらフレキシブルに移動します。基本的に期限が短くなることはありません。
オフィスアワーに行くと、わからない部分はしっかり教えてくれるし、〇〇があったり〇〇ということがわかったり(コレは自分で履修してオフィスアワーに行って確かめよう)します。
レポートの評価は厳しく付きますが、優しい部分もあります。例えば問題の数字を写し間違えた状態で解いても、その間違えた数字の状態での回答が合っていれば不合格にはならなかったり、致命的なもの以外の誤字とかは大目に見たりします。
過程の省略とかには死ぬほど厳しいですが、真面目にやってきたものにボロカスつけることはしないと思います(流石に色々間違ってちゃダメだけど)。
期末課題も他の授業と比べて相当早くに出て、テストもないためそこら辺は他科目に配慮されています。
なんだかんだ、レポートの分量が多い以外はいいところが多いのか?と自分は思ったりします。
- スリルが味わえる
これは自分が特に推しているポイントなのですが、この授業は毎回教室に行くたびに人が減っている(可能性がある)授業です。
この授業で欠席はまずありえないので、来ていない人=途中で不合格になった人と言っても差し支えありません。
1週間経ち、木曜日の朝を迎え、昼に大学に行くと、居たはずだった席に人がいない。
これをサバイバル、生存競争、ダンガンロンパ3、名探偵コナン ベイカー街の亡霊、バトルロワイヤル、人狼ゲーム、もうなんでもいいですが、コレほどスリリングな授業も他にあまりありません。
他の授業では味わえない緊張感と「自分は闘う者である」という主人公感。コレこそ、この授業の醍醐味なのではないかと思います。
- 専門科目「データ構造とアルゴリズム」が履修できる
同じ先生の開講科目にシステム・科学主専攻専門科目「データ構造とアルゴリズム」があります。この授業は、基礎数学B(と、基礎数学Aと情報数学)の単位が全てないと履修できません。
現在自分は履修していますが、結構面白いです。この話も書きたいところなのですが、この時点で異常な文字量になっているので割愛します。
ちなみにこの授業もレポートが毎回出ます。そもそもの難易度が基礎数学Bより高く、現在絶賛苦戦中ですが、レポート用紙15枚書かせることはありませんでした。多くて5枚位。
この授業は結構おすすめ授業で、klisの人たちぜひ取ってくれって思うのですが、いかんせんそもそも受講資格のあるものが年10人ほどしかいないのが現状です*6。
まあシラバスを見る限りmastやcoinsで開講されるデータ構造とアルゴリズムも、実習授業の有無くらいでやる内容は結構近いっぽいのですが。
今年は8人履修しましたが、なんと昨年は0人だったそうで。
この科目が埋もれ続けているのはもったいないと履修して感じる部分があったので、ぜひ基礎数学Bを2年次にとって、3年次にデータ構造とアルゴリズムを履修してほしいです。
おわりに
長々と書きましたが、自分は基礎数学Bを履修してくれる人が増えることを願っています。
ただ単に「先輩がヤバいって言ってたからやめよう」「単位が取りにくいらしいからやめよう」という理由で諦めてもらうにはもったいない授業だからこうやって洗いざらい書いてみたわけです。
たしかに他の授業と比べると単位は取りにくいかもしれないしヤバいかもしれないですが、そんな理不尽に刃物で刺される授業ではないし、教室にすし詰めになる授業でもないし、1人2分のプレゼンテーションを課されるわけでもないし、ITパスポートの問題を解かせるわけでもないし、先生が話すたびに30秒以上のロードを挟むわけでもないし、提出システムに阻まれて提出できない授業ではないし、出席表の裏に感想を埋め尽くさないといけない授業でもないし、強制的にグループを組んでディスカッションさせる授業でもありません。
堅苦しい部分は正直改めてほしいのですが(アンケートにも書いたけど、効果うすそう)、大学で学んでる感が一番大きかった授業はコレかもしれません。
知識というか、人生で大切なことを学んだような、そうでないような気がします。
なのでぜひ、来年2年生になる人も、来年3年生になる人も、4年生になる人も、なんかよくわかんない人も、知識の学類生じゃなくても、基礎数学Bを受けてみましょう。
大学への認識、授業への認識が、変わるかもしれません。
悪い方向に変わるかどうかは、保証しません。
それでは~
この記事を作成するにあたって、自分に基礎数学Bの単位をもたらしてくれたますみさん (@truth_ssp_d) | Twitterには多大な感謝をしております。お礼申し上げます。